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Nov 19, 2011

美ヶ原高原美術館と'11 FBM 02

今回の旅の目的は美ヶ原高原美術館にてサモトラケのニケ
初めて動画を作ってみました。動画とかいうレベルではないのはわかっていますが…
私の名前の語源はニケなので、観たくて観たくて。レプリカですけど、感動しました。
その日は天気が悪かったのですが、山から見える動きの激しい雲がまるで海のように見え、元々船頭にいたニケの本来の美しさが見えるようでした。筋肉が緊張した腕から羽根、風にはためく布。
今まで全然考えもしませんでしたが、なんで勝利には女神なのかがよくわかりました。
戦うのは男性。女性は守らなくてはならない。
女性としての自分を考え直そうと思います。
(もちろん、戦う女性に守る男性もいると思いますが)

美ヶ原高原美術館のほかの展示は、まぁまぁ、でした。
夫は『スズメヲウツノニタイホーヲモチダス』が好きとのこと。

FBM当日は毎年同じ。メインフィールドには一回しか行かず、ただ美しい紅葉を楽しみました。

今回のお土産はニケの小さなレプリカ。
玄関に置きました。実はすっごく小さくてちょっと寂しい。

Jul 21, 2010

All's Well That Ends Well

ある火曜日、ボキューズミュゼでランチを食べ、森アーツセンターで開催されているボストン美術館展を観に行こうと夫と計画しておりました。私は高所恐怖症なので、とっても高いところにある森アーツセンターには夫の協力なしにはどうにも無理そうでした。また夫は初ボキューズ、私は二度目で何を頼もうか前日からわくわくしていました。
朝ご飯は消化のいいものを食べたりして、ついた瞬間が一番おいしいタイミングになるように努力をしました。
様々な誘惑を乗り越え新国立美術館についたら…火曜日は休館日!
「美術館の休館日は月曜日と決まっているでしょ〜!」火曜日に閉まった門の前でそう叫んだのは私が初めてではないでしょう。
落胆しましたが、とにかくお腹が減ったし、フレンチ的な食事を受け入れるおなかになっていたので、急遽恵比寿に移動。ビストロダルブルでようやくランチをいただくことができました。本当にとってもおいしかった。もしかしたらこっちのほうがおいしかったかも。
しかしランチ後はもう六本木には戻りたくない、と夫。せっかく高いところに上る心の準備ができていたのに!
歩いて行ける美術館といえば目黒庭園美術館。ちょうとロトチェンコ+ステパーノワ展を開催していました。夫が好きそうなので即決。
展示は興味深かったです。はじめの方はふたりの人物紹介のよう。ロトチェンコの絵画が展示されていましたが、絵画というよりグラフィック。きっと当時の人々にはすごく新鮮で不思議に写ったのだろうな。もちろん今見ても新鮮です。共産圏の人々の生活に少し触れられた気がしました。やはり伝えようとする明確な何かを持っている人の作る作品は力強く、何を伝えようとしているか考えようとする前に鑑賞者の心に入ってくるような気がします。
そしてストイックな表現手段は体脂肪率10%以下!というイメージでした。私は肥満気味な絵画(宮廷の香りがするような)が好きなので、好みとは違いましたが、とても興味深く、楽しく鑑賞しました。

作品をゆっくり観たあとはお庭へ。ちょうど薔薇が美しい時期で幸運でした。薔薇もたくさん見られ、最終的にはすごくいいお休みになりました。終わり良ければ全て良し!

Oct 17, 2009

明日の神話での待ち合わせ

渋谷駅に岡本太郎の『明日の神話』が展示されています。
待ち合わせが岡本太郎の壁画の前だなんて…すごく豊かな気持ちになります。

公共の場に美術があることは、通行人にとっての財産だと思います。
そのときに何も思わないとしても、脳の深くにその残像が刻みつけられたり、それをきっかけに何かに興味をもったり、ただ毎日なんとなく目に入るだけでも…極端なことを言うと「何を感じるか」ではなく「そこにある」ということが大事なんだと思います。そして岡本太郎自身も芸術は大衆のためにあると言っていました。
また、芸術作品は多くの人の目に触れることによって深さを増し、より良いものになっていきます。作品が作者の手から離れて鑑賞者のものになって行く気がします。そうするとその作品に込められたメッセージがより強くはっきりと浮かび上がります。
この壁画も最初に掲げられたときより今の方がずっと輝いているように感じます。

Oct 14, 2009

原美術館

9月のある日、原美術館に行ってきました。
昭和13年に建てられた渡辺仁設計のこの建物は、もともとは大富豪の邸宅。1979年に美術館になったそうです。オシャレ世界への入り口…
所蔵品展が開催されていたのですが、作品はそこそこにお茶を飲みました。私はお茶ではなくビールを…(午前中なのに)
お庭でのビールは贅沢そのものです。いつかこんな家に住みたいな〜と考えると同時に固定資産税が大変だろうな…と考えていました。オフィスビルであろう高い建物に囲まれ平日の午前中からビールだなんて、29歳なのにいいのでしょうか。美術館は美術を鑑賞するだけでなく美しい時間を過ごすためのものでもあります。

Aug 22, 2009

アントワープ・ファッション展

何カ月か前のことになりますが…
ファッション命の古くからの友人と初台のオペラシティ・アートギャラリーで開催されているアントワープ・ファッション展に行ってきました。
はじめにアントワープ王立美術アカデミー・ファッション学科の学生たちの作品。それぞれに世界観があって驚きました。ひとつとても楽しかった作品は、前身頃と後見頃がブラインドになっていて、そこにタキシードの絵が描いてあるもの。袖はちゃんとしているんです。ファッションに対してのアンチテーゼであるようにも思えました。見せかけとは何か、ブラインドであったとしても問題ないのではないか? 服は、実用とファッションがあってそのふたつが独立したり、融合して新しいものが生まれてくる。ただ、ファッションだけを切り抜いたら、ブラインドが服になることが可能なんだ、と思いましたが…
現代アートを鑑賞するときと同じような感覚がありました。ちょっとした恐怖にも似ている感覚です。移り変わって行くことへの恐怖、でしょうか。理解できないままどんどん新しい物事が上書きされて行くことが恐くなることがあるのですが、そんな感覚に似ていました。
展覧会の最後の方にはマルジェラやドリス=ヴァン=ノッテンなどの展示があって安心しました。洋服は商業的であったほうが見ていて楽しいです。「自分も欲しい!」って思えるので。
私にとって洋服は、着てナンボ! …です。

Mar 18, 2009

アーツ&クラフツ展(東京都美術館)

招待券をいただいたので行って参りました、東京都美術館にて開催中の『生活と芸術−アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで』。
最初はすごく楽しかったのですが、ちょっと見ただけでお腹一杯。私の好みではないという結論に落ち着きました。
私にとって芸術は、ときに好みとかいう場合ではないときがあります。
社会をうつす鏡のような存在だと。
それ自体に対しての関心等はさておき、そういうものがあるという認識が必要なことがある。歴史や思想に関係するので直視しなければならない。
しかし、生活となった場合は、好みの問題になってくるかと思います。もちろん、ウィリアム・モリスの残した形跡が無視できるものではありません。しかしこの展覧会は、もちろんアーツ&クラフツの歴史や思想をうつすものではありましたが、途中からデザインの展示即売会のような気がしてきてなりませんでした。そうなった場合、私の好みとは違う。
しかも照明がちょっと下手…(これが東京都美術館に行ったときに必ず持つ感想です)。
きっと英国通や、ガーデニング好きの方々にはたまらない展覧会です。実際会場にいる人たちの会話を聞いていると、「イギリスに行ったときに…」なんて言葉を聞いたりして、ちょっと羨ましかったです。いいなぁ。

途中でウィーンにおけるアーツ&クラフツの影響に関してのコーナーがあったのですが、そこは垂涎モノでした。この展示即売会だったら消費欲が高まります。レプリカ全部欲しい…。
それにマッキントッシュのコーナーも素敵でした。好みです。
展覧会を出たら、そこが素晴らしい物販の世界でした。我々夫婦も思わず壁紙を買いそうになりました。ハガキしか買いませんでしたが。

ウィーン工房のはがき …のはがき。

東京都美術館を出て、アーツ&クラフツのアートの部分が足りなくなって国立西洋美術館の表のロダンを堪能しました。春の空にそびえるカレーの市民は、またいっそう美しかったです。
しかし、こういうことをしている私も、結局は好みだからロダンを観るわけで。

帰りにベラスケスの画集とハプスブルグ家に関する本を買って帰りました。

Mar 11, 2009

ルーブル美術館展

大雨のなか、国立西洋美術館に行ってきました。
楽しみにしていたルーブル美術館展を観に行くために!

10時に会場についたのに、大雨なのに、平日なのに、それでもすごい混雑。
しかし、そんなのはまったく気にならないほどの楽しさでした。

とにかくどこを見ても楽しい!

私にとっての目玉はジョルジュ・ド・ラ・トゥールの『大工ヨセフ』

美しさに飲み込まれていきそうでした。
ろうそくの明かりに照らされたヨセフの目に、人間の強さと弱さを両方映っているようです。
美しいものの前で人はただ立ち尽くしてしまう。そして、美しさの意味が形のそれでなく、内面のものだと気づかせてくれます。この絵を観るだけでもこの展覧会に来た甲斐がありました。
実はこの絵を観たあとは他のものがあまり目に入らなかったです。
そして美しい絵の持つ魔力に取り憑かれ、もう一週間経っているのに未だあの絵を思い出し感動に浸っています。

Dec 1, 2008

パリ—ニューヨーク 20世紀絵画の流れ

かなり前のことになりますが、府中市立美術館で開催されていた『パリ—ニューヨーク 20世紀絵画の流れ』展に行って参りました。ニューヨークにある大学のコレクション、とのこと。

有名どころがたくさんありました。コロー、ムンク、マティス等々。
センスがとにかくいいコレクションでした。きっと限られた予算内で一番良くて、他とも合うものを選んでいたのではないでしょうか。アメリカらしいものがたくさんあって、それぞれ小さいけど楽しい作品ばかりで、ゆっくりと鑑賞することができました。点数が多く、作家もそれぞれ違うので比較することも楽しかったです。

私が一番感動したのはムンクの作品。『サン・クルーのセーヌ川』という1890年の作品です。他の作品とは全く違うオーラを放っていました。ムンクの見たパリの風景が、その空気とともに感じられます。
名が残る、ということは、やはり評価されるから、といわけであります。その評価が多ければ多いほど必然的に名が残ることになる。いい作家はより多くに人に感動を与えることができる…当たり前のことなのですが、その当たり前のことを強く感じました。他のあまり有名ではない作品と並ぶと、絵画に鑑賞者が与える感動がより強調されるのです。

そして、今回初めて作品を見たのですが、マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの作品がとっても良かったです。色が大変女性的な気がします。自分が、睡眠と覚醒の狭間に見える風景とよく似ていました。彼女は青騎士に関わっていたらしいです。

これは違うヴェレフキンの作品です。恐さと美しさが同居しています。

あと、感動したのがオキーフ。今回初めて実物を観ました。というのも、実はあまりオキーフが好きではないと考えていました。なので観る機会があっても避けていました。しかし今回、いちぢくの絵を観て、「百聞は一見にしかず」と実感しました。小さな作品から醸し出されるオーラが凄まじい。単純なふたついちぢくが、なぜか目を惹きつけてならないのです。もっとオキーフの絵を観たい…

この展覧会は誘われて行きました。自分では多分選んで行かなかったと思います。
でも本当に行って良かった。府中市美術館、そして芸術の森も大変良かったです。豊かな場所で過ごした豊かな時間でした。

Oct 26, 2008

ジョットとその遺産、テレビ番組上映会

タイトル通り、テレビ番組上映会に行ってきました。東郷青児美術館で開催されて、応募したら運良く当たって行ってきたのですが…『ルネサンス時空の旅人〜聖なる都アッシジ物語』。日本テレビの文化の日記念に作られたものらしいです。たしか、HPでは映画って説明してあったような…?
完全にだまされました。あれは何の意味があるんでしょうか?大竹しのぶが旅人として出てきて、ジョットにまつわる場所に行ったりするのですが…何も残りませんでした。絵の全体像をまず見せて、それから細かい部分を見せながら、なぜかその時に全体の構図の説明を…そしてそのままほかの作品に移って…?全体の構図の説明をするなら全体を見せろ!
笑いどころはたくさんあったのですが。大竹しのぶがダンテの神曲の冒頭を朗読します、と言って洋書の真ん中のページを開いて日本語で読み始める…?あれ?
一緒に行った元ルームメートのオメリさんは、笑っているか寝ているかでした。
終了後、みなさんぶーぶー文句を言ってました。そりゃそうだ。きっとあの状況で上映会に行きたいと希望する人たちは、ある程度美術の知識がある人たちだと思う。それなのにあんなものを見せられるなんて。
ちなみに、最初に講演をしたもと日本テレビのディレクターが解説をつけた来年のカレンダーが出口で売ってました。それが売りたいだけなの?

ちなみに、まだ展覧会には行ってません。高所恐怖症の私。42階って…考えただけでも無理です。でもジョットのために行くしかないです。
六本木ヒルズの森美術館にしてもそうなのですが、高いところに美術館を作る必要なんてあるのでしょうか?理解できません。飛行機乗るのがいやでまだヨーロッパに行けない人もいるのに…なんでわざわざ42階に美術館を作って絵画を観るチャンスを奪おうとするのでしょうか。
…ま、これは極端な冗談ですけど。

とにかく、だまされました。

富弘美術館

先週、両親の住む黒保根(まだ実家と呼べない)に行ったついてに、家から車で30分くらいのところにある富弘美術館に行ってきました。
ここは星野富弘さんという手足が不自由な画家の美術館です。彼の作品は本当に色の美しい、優しい作品でした。24歳の時に事故で手足の自由を失い入院中に花を眺め、同じ場所から動けない自分と花を重ね合わせたそうです。そういう彼の花の絵は、本当に生き生きとして、花がこちらに語りかけているようです。
そして絵からあふれる富弘さんの魅力。お母さん、お姉さん、そして現在は奥さんに支えられ創作活動をしているようなのですが、女性に恵まれている人なんだな、と思いました。魅力的じゃないといくら優しい女性でもそこまではしないだろ…と思うのです。事実、ロビーの壁に描いてあった彼の入院中のメモはとても優しく、ユーモアに満ちていた。一緒にいて楽しい人でもあるんだろうな…。

ところで、ここの美術館、星野富弘さんの絵画意外にも、建物が魅力的です。ヨコミゾマコトさんが設計し、91年に開館したそうです。長方形の建物の中を、いくつもの円を組み込んでいます。円の中の長方形って、たまにあるような気がするのですが、長方形の中の円というのは、初めての体験でした。私の直感としては、後者はスノッブな感じ、後者は優しい感じ。その優しい建物は星野富弘さんの絵画に合っているように思いました。小さな作品が多いので円だと見やすい気がしますし。そしてこの美術館は草木湖に面しているのですが、湖を全面ガラスの部屋から見ることができます。その部屋、天井が鏡になっていて、開放感といったら何の!母と私はあそこで昼寝をしたい…と。

美術館の裏から。季節がちょうど良かった。こんなに紅葉が美しい。
カフェにも寄りましたが、イームズの白いシェルチェアが、なんだかかわいかったです。カフェで使われているシェルをかわいいって思ったことなんてあんまりなったのですが。
コーヒーは、まあまあでした。母がパンを頼んだのですが、それが入ってきた器がシンプルでかわいかったのに、なんで飲み物は紙コップを?残念でなりません。

帰りに隣にある道の駅に寄りました。そこで干し椎茸を発見!安くておいしかったです。

Sep 20, 2008

チャイナ・アヴァンギャルド展

マリ・クレール誌のプレゼントに当選して国立新美術館で開催されている『チャイナ・アヴァンギャルド展』ナイトツアーに行ってきました。私が翻訳をしている本の担当編集者のYHさんを誘って行きました。
キュレーター平井氏とマリクレールの編集長がトークをしたあと、展覧会を観に行くというものでした。
タダで展覧会を観られたのは本当に楽しかったのですが、トークが不必要でした。
ちなみにYHさんはとなりで寝ていた…そして次に見たら編集長のイラスト作成…。わかります。だって編集長のお話は…。直前に展覧会を観た、ということでしたが、知識のエッセンスになるようなものはなにもなく、展覧会を観れば自分でわかることばかり。せっかく担当の学芸員がいるのなら、その人に話していただいた方が展覧会を楽しめたと思います。
でも最後に学芸員の方が「良いと思っても気持ちが悪いと思ってもいい」と言っていました。その言葉で私は心から展覧会を楽しめました。
王広義の作品が本当に良かったです。特に『無題(赤い格子の後ろの聖母)』は心に響きました。

血のようにも見える赤い格子の後ろでうつむく聖母マリアは、赤い権力の後ろにいる美しい心のように見えました。また、聖母マリアであることによって、西洋に憧れる中国の姿にも見えました。
中国の一般市民がどのような気持ちで共産主義のもと生きているかわかりませんが、きっと芸術家は葛藤していたに違いない。王広義の作品を眺めていると、そう感じました。
反感は買うと思いますが、芸術は葛藤している方がいいと思います。
担当学芸員によると、現在中国のアートは買い手が多くて、作家への先払いが多いらしい。
もちろん、先払いでも素晴らしい作品は出来上がるかもしれませんが、なんだか純粋な創造性のようなものが薄れそうです。どこか商業的になってしまうような。
もちろん、アーティストもご飯を食べなきゃいけないわけで、作る人がいて買う人がいるのは当然です。
でも、ここ10年くらいの作品を観ていると、なんだかなあ、と。おもしろいけど感動しなかったです。
もちろん、これは私の個人的な感想ですが、なんだかモヤモヤした六本木の夜でした。

…ちなみにHYさんとは今度3階のボキューズのレストランに行く約束をし、お別れをしました。
彼女はまた会社に戻るとのこと…。カンバレ。

Jun 13, 2008

「書物のあるマグダラのマリア」

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作

私はよく、いつも持ち歩く手帳等にそのときに気に入っている絵のコピーを貼っています。
これは'05の手帳です。
なぜ自分がこの絵を選んだかはわかりません。
おそらく国立西洋美術館でラ・トゥール展をやったときの新聞の切り抜きです。



マグダラのマリアの、鼻と口しか見えない横顔を柔らかいロウソクのの炎で照らされています。
口元はほほえんでいるようにも見えますが、鼻の先が、私には泣いたあとのようにも見えます。
頭蓋骨に添えた手は優しいです。
静かな美しい作品です。

美術作品はなんと言っても現物がいいのですが、こうやって印刷が雑なものを常に持ち歩き、よく見て考えることもとっても好きです。
自分の体に入って行くようです。

恐るべし、紀伊国屋書店

昨日、ものすごく久しぶりに紀伊国屋書店新宿南店に行きました。
ここは行ったら絶対に散財するので避けていました。
(いつも新刊はamazonで熟考して買うのです。古本屋もよく行きます。)

なんだか外国の本が欲しくなったので、新宿へ。
しかし洋書では欲しいものがみつからず、同じ階の芸術セクションへ…これが敗因。
三冊も手に取り、レジへ直行。
約7500円なり。私、今無職なのですが…

RENOIR画集(TASCHEN)
カラヴァッジョへの旅 宮下規久朗 (角川選書)
美学辞典 佐々木健一 (東京大学出版)

新宿からの帰りは自分の買い物の重さを実感するため徒歩。
かばんのなかには行きの電車の中で読むための本が既に入ってます。
…重い!!!
(だからでしょうか。今背中がすごく痛いんです)

早速カラヴァッジョへの旅を読んでいます。
宮下規久朗さんの文章は私の好みで読みやすくて好きです。
カラヴァジオ(私は近頃、最後のョをオと読むのが好きです)の少年がなぜあんなに美しいのかを知るために読んでいます。
ちなみに、ルノワールの画集も少年の絵がなぜ美しいかを考えるのに買いました。ただし当の絵(Le garcon au chat)は画集になし。まぁでもカラヴァッジオと美少年つながり。
美学辞典はなんとなく買いました…。このなんとなくが紀伊国屋書店のおそろしさですね。
なんとなく本を買うなんて…しかも一番高価なものなんです。
でも必要だし。←これが貧乏の道の第一歩。

今日から読むものには困らないのでまた引きこもりの日々です。



一見趣味がバラバラな三冊。
私には何かでつながっている。

May 24, 2008

冒険王 横尾忠則展


世田谷美術館で開催中の『冒険王・横尾忠則』を観に行く。
自転車で行ってしまった。
我が家からおよそ1.5時間かかった。
tauko氏に言わせると、私は一番遠い道を通ったとのこと。
会場につくと、運動をしたせいか最初の30分はかなり集中できたものの、それ以降は気が散ってしまった。自転車で行くのも考えもの。

さて、横尾忠則である。

ルソーへのオマージュで始まる。
一時期「私はルソーの生まれ変わり…」と言いふらしていたのだが、まさか横尾もそう思っていたとは。
作品を観ていると、3人で会話しているような感覚。

Y字路を観る。あっちの世界が見える。異界が我々の生活のすぐとなりにあることを認識する。

横尾忠則といえば、私は『インドへ』や『私と直観と宇宙人』などのエッセイが大好きだった。
そのエッセイを読んで、私も宇宙人と交信したいと強く願った。まだ宇宙人との接触に成功していない私だが、横尾忠則の絵を見ると、彼が宇宙人と接触していることは感じる。

作品からのエネルギーが強く、少し酔ってしまう。

あまりに量が多かったので、図録を買って帰る。
図録が、とても良い出来。2500円とはお値打ち。
でもまだ中を見ていない…

May 15, 2008

佐伯祐三 鮮烈なる生涯


少し前のことになりますが、笠間日動美術館へ『佐伯祐三 鮮烈なる生涯』展を観に行きました。

初期の作品は模倣が多く、少しつまらなく思っていました。
でも進むにつれ、強烈なエネルギーを感じ始めました。
それが見事に佐伯自身に向かうエネルギーであるように見えましたが、それがとても痛々しかった。

そしてある時期から、彼が死に向かっていたことが絵から見えました。
絵の生気は全て失われていました。
『ロシア少女』は、死に向かう佐伯の内面を、鏡になって鑑賞者に見せてくれているように思います。
佐伯の心の闇があの目に映り、それを佐伯が描く。
ロシアの少女はモデルが終わり佐伯宅を去るときこう言ったそうです。
「不幸は重なるものよ。」
しばらくして佐伯はパリの地で亡くなり、娘も亡くなったそうです。

一緒に展覧会に行った父が印象的なことを言っていました。
「ひとつの展覧会でこんなにも濃く一人の男の一生を見るのは初めてだ。」

Nov 16, 2007

カラヴァッジョ_果物籠を持つ少年


近頃「好きな画家は?」と聞かれるとカラヴァッジョが先ず浮かびます。
少し前にある本を久しぶりに読んでいたら、今まではあんまり感動しなかったカラヴァッジョの絵に感動したのです。
最初にその本を読んだ私は浪人生で、19歳くらいでした。
まわりの影響で現代美術やシュルレアリスムの画家達が好きだったころ。
先ず抽象画ありき。「ひねってないとね」とか浅はかなことを考えていました。よってカラヴァッジョの果物の絵なんかはなんかは素通り。

その後、人生色々だったわけです。自らの価値観を形成する様々な物事と出会い、別れ、勉強し、経験も少ししました。
すると自分が単純だと思っていたものが、決して単純ではないことに気づいたのです。
そこでカラヴァッジョ。
強度の美しさと徹底的な技術が、描かれている主題を観る者に突きつけます。
絵画の至るところに込められた意味。それを読めば読むほどに、絵画と現実の境界線がなくなっていきます。

息をのむ。今ではその感覚がわかります。


※今日のBGMはただいまNHKで放送されている樫本大進さんの無伴奏ヴァイオリンコンサートでした。
今日初めて彼の演奏を聴いているのですが、共感できる…と思ったら同い年でした。

Aug 13, 2007

春(部分)


ボッティチェリの春は、言わずと知れた名画ですよね。
どこをとっても美しい。
主題についての様々な見解があり話題にもことかかないこの名画。
そのような説を読んで観ることも楽しいのですが、私はそんなことより青年に夢中なのです。
直線的な骨にのった均整のとれた筋肉、肌の色のバランス、姿勢・・・その全てからまだ熟していない青年の透明さが伝わります。
花の香りのする女性の中で一人、豊かで新鮮な土の香りのする青年。
その対比に溜息がでます。
ちなみに私はこの絵の中で、青年の膝が一番好きです。
長時間見ていても飽きることはありません。
パラノイアです。

Aug 1, 2007

le garcon au chat


ルノワールは大好き!っていうわけではない。
しかしこの絵だけは特別なのです。

この絵のハガキを買い、机に飾り毎日眺めていました。
猫のうっとりとした表情、みずみずしい少年の肌。
見れば見るほど美しい。
するとあることに気づきました。
私は(猫だけでなく)美少年の描かれている絵画が好きなんだ、と。

本物の美少年にはあんまり興味はないのだけれど。

今度から少しずつ私の好きな絵を紹介していきたいです。