Dec 1, 2008

パリ—ニューヨーク 20世紀絵画の流れ

かなり前のことになりますが、府中市立美術館で開催されていた『パリ—ニューヨーク 20世紀絵画の流れ』展に行って参りました。ニューヨークにある大学のコレクション、とのこと。

有名どころがたくさんありました。コロー、ムンク、マティス等々。
センスがとにかくいいコレクションでした。きっと限られた予算内で一番良くて、他とも合うものを選んでいたのではないでしょうか。アメリカらしいものがたくさんあって、それぞれ小さいけど楽しい作品ばかりで、ゆっくりと鑑賞することができました。点数が多く、作家もそれぞれ違うので比較することも楽しかったです。

私が一番感動したのはムンクの作品。『サン・クルーのセーヌ川』という1890年の作品です。他の作品とは全く違うオーラを放っていました。ムンクの見たパリの風景が、その空気とともに感じられます。
名が残る、ということは、やはり評価されるから、といわけであります。その評価が多ければ多いほど必然的に名が残ることになる。いい作家はより多くに人に感動を与えることができる…当たり前のことなのですが、その当たり前のことを強く感じました。他のあまり有名ではない作品と並ぶと、絵画に鑑賞者が与える感動がより強調されるのです。

そして、今回初めて作品を見たのですが、マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの作品がとっても良かったです。色が大変女性的な気がします。自分が、睡眠と覚醒の狭間に見える風景とよく似ていました。彼女は青騎士に関わっていたらしいです。

これは違うヴェレフキンの作品です。恐さと美しさが同居しています。

あと、感動したのがオキーフ。今回初めて実物を観ました。というのも、実はあまりオキーフが好きではないと考えていました。なので観る機会があっても避けていました。しかし今回、いちぢくの絵を観て、「百聞は一見にしかず」と実感しました。小さな作品から醸し出されるオーラが凄まじい。単純なふたついちぢくが、なぜか目を惹きつけてならないのです。もっとオキーフの絵を観たい…

この展覧会は誘われて行きました。自分では多分選んで行かなかったと思います。
でも本当に行って良かった。府中市美術館、そして芸術の森も大変良かったです。豊かな場所で過ごした豊かな時間でした。

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