Sep 21, 2009

Coco avant Chanel

映画ばっかり観て過ごせたらいいのに、と思っています。
多くの人がそんなこと思っていますよね。

そんな気持ちで行ってきました、“Coco avant Chanel ココ・アヴァン・シャネル”。初日でしたが、そんなに混んでもおらず。おばちゃん〜おばあちゃんが多かったです。
すごく期待していた映画でした。広告に使っているショパンの別れの曲にあおられ、フィガロの特集にあおられ、すごく楽しみにしておりました。
写真の下はもしかしたらストーリーがわかってしまうかもしれませんのでご注意を。
…映像がとても美しかったです。晴れている空なんか全然出てこなくて、ずっと薄暗い雰囲気だったのですが、それによって衣装がとても映えていました。役者もすごく良かった。オドレイ・トトゥがこんなにはまるとも思いませんでしたし、相手役のアレッサンドロ・ニヴォラもハンサムとは言いがたいけどかっこいい男。私はブノワ・ポールヴールドが特に良かったと感じました。破壊力がありそうだけどギリギリのところで紳士であるバルザンをすごく絶妙に演じていたと思います。ココを諦めるときの表情がすごく良かった。
でも…映画自体は雑に見えました。淡々としているからこそ、つめるところをつめて欲しかった気がします。脚本の問題かもしれません。
題名を直訳すると『シャネルの前のココ』…その名の通り映画はココが成功するまでの物語です。きっと多くの女性がココ・シャネルの成功への道とシャネルの洋服が世界に及ぼした影響を既に知っていると思うのですが、何となく、その知識に依存している脚本なんだと思います。ボーイ・カペルがイギリスから持ってきたジャージー素材のポロシャツを探していて、それを見つけたココがそれに反応するシーンがあるのですが、ココが実際にジャージー素材で初めて婦人服を作ったことには触れず。みんなわかっているけど映画の中でちゃんと説明しようよ! しかもボーイの死後、何の説明もなく帽子屋からいきなり洋服のコレクションを発表…? どうしてそうなったのか説明してはくれないの? つっこみどころ満載でした。
衣装が美しくて、映像も演技も良かったでわりと満足しましたが、ビデオで十分な映画でした。
最後に…私が今好きな服を着ているのって、ココ・シャネルのおかげなんだな、と再確認しました。黒い服ばっかり着られるのも、シンプルな服を着られるのも、ココ・シャネルのおかげなんですよね。ありがとう、とパリに向かって叫びたい気分になりました。

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