May 24, 2008

冒険王 横尾忠則展


世田谷美術館で開催中の『冒険王・横尾忠則』を観に行く。
自転車で行ってしまった。
我が家からおよそ1.5時間かかった。
tauko氏に言わせると、私は一番遠い道を通ったとのこと。
会場につくと、運動をしたせいか最初の30分はかなり集中できたものの、それ以降は気が散ってしまった。自転車で行くのも考えもの。

さて、横尾忠則である。

ルソーへのオマージュで始まる。
一時期「私はルソーの生まれ変わり…」と言いふらしていたのだが、まさか横尾もそう思っていたとは。
作品を観ていると、3人で会話しているような感覚。

Y字路を観る。あっちの世界が見える。異界が我々の生活のすぐとなりにあることを認識する。

横尾忠則といえば、私は『インドへ』や『私と直観と宇宙人』などのエッセイが大好きだった。
そのエッセイを読んで、私も宇宙人と交信したいと強く願った。まだ宇宙人との接触に成功していない私だが、横尾忠則の絵を見ると、彼が宇宙人と接触していることは感じる。

作品からのエネルギーが強く、少し酔ってしまう。

あまりに量が多かったので、図録を買って帰る。
図録が、とても良い出来。2500円とはお値打ち。
でもまだ中を見ていない…

May 15, 2008

佐伯祐三 鮮烈なる生涯


少し前のことになりますが、笠間日動美術館へ『佐伯祐三 鮮烈なる生涯』展を観に行きました。

初期の作品は模倣が多く、少しつまらなく思っていました。
でも進むにつれ、強烈なエネルギーを感じ始めました。
それが見事に佐伯自身に向かうエネルギーであるように見えましたが、それがとても痛々しかった。

そしてある時期から、彼が死に向かっていたことが絵から見えました。
絵の生気は全て失われていました。
『ロシア少女』は、死に向かう佐伯の内面を、鏡になって鑑賞者に見せてくれているように思います。
佐伯の心の闇があの目に映り、それを佐伯が描く。
ロシアの少女はモデルが終わり佐伯宅を去るときこう言ったそうです。
「不幸は重なるものよ。」
しばらくして佐伯はパリの地で亡くなり、娘も亡くなったそうです。

一緒に展覧会に行った父が印象的なことを言っていました。
「ひとつの展覧会でこんなにも濃く一人の男の一生を見るのは初めてだ。」

May 3, 2008

扉の国のチコ

巖谷國士 文 上野紀子 絵 中江嘉男 構成

美しい絵の、美しい物語です。

以前世田谷美術館でやった「瀧口修造 夢の漂流物」展で観た
瀧口修造の部屋においてあったオブジェがちりばめられていて、
見知らぬ、でも懐かしい友達を訪ねる感覚になりました。

子供のころに感じていた、一歩先にあるような世界を思い出すことができる絵本です。