Nov 16, 2007

カラヴァッジョ_果物籠を持つ少年


近頃「好きな画家は?」と聞かれるとカラヴァッジョが先ず浮かびます。
少し前にある本を久しぶりに読んでいたら、今まではあんまり感動しなかったカラヴァッジョの絵に感動したのです。
最初にその本を読んだ私は浪人生で、19歳くらいでした。
まわりの影響で現代美術やシュルレアリスムの画家達が好きだったころ。
先ず抽象画ありき。「ひねってないとね」とか浅はかなことを考えていました。よってカラヴァッジョの果物の絵なんかはなんかは素通り。

その後、人生色々だったわけです。自らの価値観を形成する様々な物事と出会い、別れ、勉強し、経験も少ししました。
すると自分が単純だと思っていたものが、決して単純ではないことに気づいたのです。
そこでカラヴァッジョ。
強度の美しさと徹底的な技術が、描かれている主題を観る者に突きつけます。
絵画の至るところに込められた意味。それを読めば読むほどに、絵画と現実の境界線がなくなっていきます。

息をのむ。今ではその感覚がわかります。


※今日のBGMはただいまNHKで放送されている樫本大進さんの無伴奏ヴァイオリンコンサートでした。
今日初めて彼の演奏を聴いているのですが、共感できる…と思ったら同い年でした。

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